【1級技能士が解説】射出成形 新人が最初の1年で覚えるべきこと

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こんにちは。

1級技能士のゆーじです。

私自身、射出成形の仕事を始めた頃は、何を覚えれば一人前に近づけるのか分かりませんでした。成形条件、樹脂、不良、設備……覚えることが多く、目の前の作業をこなすだけで精一杯でした。

しかし経験を積む中で、成形技術は一気に覚えるものではなく、基礎から順番に積み上げることが重要だと感じました。この記事では、私自身の経験も交えながら、新人が最初の1年でどういう順番で何を身につけていくといいか、全体の流れを地図としてまとめます。新人の方はもちろん、教育を担当する方にも参考にしてもらえる内容にしています。

この記事のポイント:成形技術は一度に覚えるものではなく、①基本動作→②材料・設備→③不良を見る力→④原因を考えて改善する力、という順番で積み上がっていく。焦って全部を一気に覚えようとしなくていい。

射出成形 新人が最初の1年で身につける流れ

📋 最初の1年の全体マップ

時期 身につけること
入社〜1ヶ月 安全と基本動作
1〜3ヶ月 材料と成形の基礎
3〜6ヶ月 不良を見る力
6ヶ月〜1年 原因を考えて改善する力

※この区切りはあくまで私の経験を目安にしたものです。工場や製品、任される業務内容によって習得のペースは変わります。大量生産の現場か試作中心の現場か、自動機中心か手作業が多いかによっても、任される範囲や順番は変わってきます。

①入社〜1ヶ月:安全と基本動作を覚える

私の場合、最初の2ヶ月ほどは、できあがった製品の検査と梱包が中心でした。成形機そのものに触れる機会はまだ少なく、まずは製品を見る目を養う期間だったと思います。

この時期に覚えておきたいのは、安全ルール、成形機の基本操作、品質確認の基本、作業手順です。いきなり条件をいじったり不良の原因を考えたりする段階ではなく、まずは現場のルールと基本動作に慣れることが優先です。

この時期に覚えておきたいことは、新人が最初に覚える10項目|安全と基本動作にまとめています。

②1〜3ヶ月:材料と成形の基礎を理解する

検査・梱包の期間を経て、私は徐々に先輩について金型交換の作業に入るようになりました。機械そのものや金型に触れる機会が増えてくると、自然と「どんな樹脂を使っているのか」「なぜ乾燥が必要なのか」といった材料側の知識も必要になってきます。

この時期に覚えておきたいのは、樹脂による違い、乾燥の必要性、結晶性・非晶性の違い、材料変更時の注意点です。現場で扱う材料の基礎を押さえておくと、その後の不良対策や条件設定の理解がスムーズになります。

樹脂の基礎知識は、新人が最初に覚える樹脂10選にまとめています。

③3〜6ヶ月:不良を見る力を身につける

現場の基本動作と材料の基礎が身についてくると、次第に「これは不良なのか、良品なのか」を自分の目で判断する場面が増えていきます。この時期に大事なのは、原因を深く理解することよりも、まず不良の名前と見た目を一致させられるようになることです。

ヒケ、ウェルドライン、シルバー、バリ、ショートショットなど、代表的な不良を見た目で見分けられるようになることを、この時期の目標にするといいと思います。

代表的な不良の見分け方は、新人が最初に覚える成形不良10選にまとめています。

④6ヶ月〜1年:原因を考えて改善する

不良を見分けられるようになったら、次の段階は「なぜその不良が起きているのか」を考え、改善につなげる力です。ここまで来ると、単に不良を報告するだけでなく、原因を切り分けて考える視点が必要になります。

この時期に覚えておきたいのは、不良発生時の確認手順、変化点の見つけ方、条件変更の考え方、そして1つずつ条件を変更する理由です。

不良発生時にまず何を確認するかは射出成形で不良が出たら最初に確認する5項目に、条件変更の優先順位は新人が成形条件を変更するときの考え方にまとめています。

1年後に目指す姿

最初の1年で目指したいのは、「機械を動かせる人」になることではありません。

  • なぜ不良が出たのか、自分なりに考えられる
  • 条件を変更した理由を、人に説明できる
  • 先輩に相談するとき、状況を整理して話せる

この3つができるようになっていれば、最初の1年としては十分な到達点だと思います。射出成形の技術は、基本を身につけた後に、経験を積みながら少しずつ深めていくものです。焦らず一つずつ積み重ねることが、将来的な成形技術者への近道になります。

ここから先、不良の原因をより体系的に絞り込みたい場合は不良対策まとめを、成形条件を一から決めていく手順を知りたい場合は条件出し10ステップの記事も参考にしてください。

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